このたびOIL by 美術手帖ギャラリーでは、塩内浩二の個展「DAYDREAM」を開催いたします。
塩内は幼い頃から画家やデザイナーを志し、英国留学などを経て、東京・中目黒にてクリエイティブコレクティブ「Cattleyatokyo」を立ち上げました。以来10年以上にわたり、ファッションや音楽・アートの領域を横断しながら、集団的手法によるアートディレクション、グラフィックデザイン、プロダクト、映像、アートワークと多様な表現を創造しています。
展覧会タイトルである「DAYDREAM」は、白日夢や白昼夢ともいい、目を覚ました状態にもかかわらず非日常的な空想や想像が視覚性を帯びて現れることを意味します。塩内が手がける、どこか幻影作用を思わせるようなグラフィカルな作品も、高度な認識に達しようとする神智学的な試みとも言えるでしょう。
世界各国で分断化が進む現代、多様性をうたいながらも目に見えない境界線がいまだに潜んでいます。本展のキービジュアルも、地上にいる人類が天空と地下のいずれかに行くか、選択を迫られている瞬間として描かれ、分断的な状況への批評的な視座が伺えます。
無機質で平面的な空間に施されたビジュアルが生む、リアルな物質感と奥行き。自由芸術と応用芸術の間を行き来しながら、軽やかに分野や概念の境界線を融解する塩内の視覚言語からは、あらためて世界の複雑さを感じることができます。
本展では、8角形のアクリル額装を施した高さ160cmある大型作品「Firmament(天蓋)」「Surface(地上)」「Underground(地下)」の3種を中心に、モノクロ作品「Parallel world(並行世界)」、小作品「Reincarnation(輪廻)」の計15点を展示。その他にもアートレーベルAtoZ MUSEUM®と、ファッションブランドBODYSONG.とのコラボレーションアイテムや、展覧会を記念したプロダクトの販売も行います。会場演出はCattleyatokyoが、ブース設計はButtondesignが担当します。
塩内は、今年10月に渋谷パルコで開催されるアートイベント「SHIBUYA PARCO ART WEEK」中、NFTアートプロジェクトのメインアーティストとしての起用も決定しています。イベント期間中は、NFTアート購入者を対象に、渋谷パルコ館内に特設されたスペースでオリジナルグッズの購入が可能となります(詳細は後日渋谷パルコより発表)。
日常と非日常を彷徨うような視覚的でカオティックな実験を、ぜひご覧ください。